1 給料の上がる経済を実現
上げるべきは物価ではなく給料です。
1996年をピークに長期的に下がり続けている実質賃金を上昇に転じさせることを経済政策の目標にします。名目賃金上昇率が一定水準(物価上昇率+2%)に達するまで、積極財政と金融緩和による「高圧経済※1によって経済低迷の原因である賃金デフレから脱却します。
「大規模、長期、計画的」な産業政策と、消費力を高める「家計第一の経済政策」により、分厚い中間層を復活させ、「令和の好循環」をつくります。
※1高圧経済論:需要が供給を上回るような超過需要状態を継続し、短期的、長期的に経済を拡大させる考え方。
①「生活減税」4本柱
1 所得税減税(所得税を課す最低金額引き上げ等による「ブラケット・クリープ※1」対応)
2 ガソリン減税(トリガー条項※2凍結解除いわゆる「暫定税率」「二重課税」の廃止)
3 消費税減税5%(単一税率にすればインボイス※3は不要に)
4 法人税(投資)減税(投資額以上の償却を認める「ハイパー償却税制※4」導入、少額減価償却資産特例※5の上限額引き上げ)
※1ブラケット・クリープ:賃金上昇に伴う名目所得の増加によってより高い所得税率が適用され、賃金上昇率以上に所得税収が増える(税負担が増える)現象の事。
※2.トリガー条項:ガソリン価格の平均が3カ月連続で1リットルあたり160円を超えた場合、価格に上乗せしている税金(約25円)の課税をやめる制度。
※3.インボイス:適格請求書
※4.ハイパー償却税制:企業の投資額に対して、その投資額以上の減価償却を認める事。これにより、企業の税務上の利益が減る=法人税等の税金が減税されるため、企業の積極投資が促進されるという仕組み。
※5.少額減価償却資産特例:中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を取得した際に、取得価額相当額を損金の額に算入できる税制措置。特例が適用される上限額は、その事業年度中に購入した少額減価償却資産の合計額300万円までとなる。
②「人への投資」倍増で給料を上げる
積極財政と金融緩和で消費や投資を活性化し、労働需給を好転させることで、物価を上回る賃金アップを実現します。とりわけ、「教育国債」の発行で、教育や科学技術など「人への投資」を倍増し、経済全体の生産性を向上させて日本の国際競争力を強化します。また、給料や人材教育など「人への「投資」を増やした企業を評価する会計制度を導入します。
③デジタル化、カーボン・ニュートラル投資の加速
「大規模、長期、計画的」な産業投資を行い、生産性向上を実現します。
「小規模、短期、場当たり的」だったこれまでの財政出動を転換します。
・産業の成長に資する規制改革の推進
中長期的な技術革新や、産業の成長と競争力の向上を促すため、国の規制改革に関して、中小企業においても一層の効率化が促進されるよう、規制の影響の定量的な評価による見える化を進めます。
・第4次産業革命
世界で進行中の第4次産業革命(IoT、ブロックチェーン、ロボット、人工知能、ビッグデータ、自動運転等の多岐にわたる技術革新)については産官学・中小企業と大企業・国内外の企業家など異分野のプレーヤー同士を結び付ける手法(オープン・イノベーション)を積極的に活用し、日本発の「世界で戦える産業」を育成します。同時に国の研究開発のあり方を質・量ともに変革します。研究開発への補助金をさらに増やし、ITやIoT分野(特に、ソフトウェア、サイバーセキュリティ等)の予算を重点的に拡充します。また、交通事故の削減、高齢者等の移動支援や渋滞の解消などに資する自動運転の実現に向けて、特定条件下における完全自動運転(レベル4)を可能な限り早期に実現します。その実現に向けた道路の高度化と安全な交通社会の推進に取り組みます。あわせて、産業のグローバル競争力強化のための、国際標準化に向けた取り組みを国策と位置づけ、推進します。
・カーボン・ニュートラルの促進
デジタル化、カーボン・ニュートラル (CO2排出量の収支実質ゼロ化)を長期的、計画的に促進するための「DCN基金」(仮称)を創設します。民間におけるデジタル、環境分野への投資を加速するため、取得額以上の減価償却を認める「ハイパー償却税制」を導入します。カーボン・ニュートラルの実現に向けて、電力分野・非電力分野それぞれで工夫を進めます。非電力分野のうち自動車については、「自動車産業脱炭素化推進法」により、研究開発・実用化及び導入促進のための誘導政策を実施します。
・ソサエティ5.0の実現
先端技術を、物流や介護など、あらゆる産業や社会生活に取り入れ、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる人間中心の社会「ソサエティ5.0」を実現します。
・印紙税の廃止
印紙税は電子決済等の技術革新や社会のデジタル化に逆行する制度であり、廃止します。
④「日本型ベーシックインカム※1(仮称)」創設
給付(負の所得税)と所得税の還付を組み合わせた新制度「給付付き税額控除」を導入し、尊厳ある生活を支える基礎的所得を保障します。
マイナンバーと全銀行口座の紐付けなど、所得と資産を月次単位で把握できる政策インフラを整え、必要な手当や給付金が申請不要で迅速かつ自動的に振り込まれる「プッシュ型支援」を実現します。
職業の違いによる税制の不公平の是正、確定申告の機会拡大の観点等から、給与所得控除等を見直しつつ、サラリーマンの諸手当の非課税対象拡大を行うとともに、自動車の任意保険料等について特定支出控除の対象とすることを検討します。
※1.ベーシックインカム:性別や年齢、所得水準などによって制限されることなく、すべての人が国から一定額の金額を定期的かつ継続的に受け取れる社会保障制度の事。具体的には、「国から国民一人ひとりに対して月々○○円支給される」、といったイメージ。ベーシックには「基本」、インカムには「所得」という意味があり、日本語では「基礎的所得」や「基本所得」などと呼ばれている。
⑤賃上げ支援
サラリーマンやフリーランスの方が貯金や長期投資で資産形成できる所得水準を実現します。最低賃金を引き上げ、「全国どこでも時給1150円以上」を早期に実現します。中小企業支援の強化で最低賃金引き上げを実現します。
⑥「積極財政」に転換
ロシアのウクライナ侵攻などによる原油価格や食料品価格の高騰を原因として物価が上がるのに景気が低迷するスタグフレーションが起きつつあります。消費税減税やガソリン税減税など「家計減税」を中心とした30兆円規模の対策を講じます。加えて、コロナ前から長期低迷する日本経済を動かすため、「人への投資」、デジタル化、カーボン・ニュートラル対策、インフラ整備、スタートアップなど、「未来への投資」を積極的に行います。
・家計減税物価が上がり景気が低迷するスタグフレーションに陥らないため、賃金上昇率が物価+2%に達するまでの間、消費税減税(10%→5%)を行います。いわゆるトリガー条項の凍結を解除し、減税によりガソリン・軽油価格を値下げします。補助金等を拡充して灯油や重油、航空機燃料、タクシー用LPガスなどの価格対策を進めます。
・未来への投資「人への投資」、デジタル化、カーボン・ニュートラル対策、インフラ整備、スタートアップの分野に「大規模、長期、計画的」に投資し、経済全体の生産性を向上させて国際競争力を回復させます。「教育国債」を発行して、教育・科学技術予算を倍増し、「人への投資」に万全を期します。
・財源の多様化「教育国債」の創設、日銀保有国債の一部永久国債化などにより、財源を多様化し、確保します。また「減価するデジタル通貨」などについても検討を進め、財源の多様化とともに金利やインフレを抑制する新しい財政コントロールのあり方を追求します。格差是正の観点から、富裕層への課税を強化します。
2 農林水産業政策
農政の基本的指針である食料・農業・農村基本法の制定から20年以上が経過しました。この間、WTO(世界貿易機関)による世界全体の貿易ルールづくりの交渉が行き詰まり、本来は例外として規定されていた2国間のEPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)が国際交渉の主流となり、もともと関税削減や自由化の議論において特別の配慮がされていた農業分野においても関税引き下げ競争が激化。さらには、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の締結により「例外なき関税撤廃」の流れが加速。その結果として、安価な農産物輸入の増加に押され、担い手や農地の減少に歯止めがかからず、我が国農業は大変厳しい現状に直面しています。現行基本法においても「国内の農業生産の増大を図ることを基本」としている中、農業総産出額、生産農業所得ともに現行基本法制定時よりも低迷しています。さらに長いスパンで見ると、最大の生産基盤である農地面積は、この半世紀で約4分の3に減少、農業就業者数は約6分の1にまで減少しています。そして、その最大の理由は、個々の農業者の「所得の低さ」にあります。
政府は、現行基本法で「担い手」として位置づけた「効率的かつ安定的な農業経営が生産の相当部分を担う」といった方向性が正しかったのか否か、なぜ、「国内生産の増大」が実現できなかったのか、まずはその検証を行うべきです。一方で、世界的な人口増加、とりわけ中国の経済発展に伴う需要の増大、温暖化に伴う異常気象の頻発に起因する生産の不安定化、ロシアによるウクライナ侵略に代表される紛争の激化などによる供給途絶、資材価格の高騰などにより、世界の食料需給は不安定性を増し、「お金さえあればいつでもどこからでも食料が買える」状況は一変しました。食料自給率がわずか38%の我が国は、ひとたび海外からの輸入が途絶すると国民の生命を脅かしかねない深刻な状況に直面していると言えます。
国家の最大の責務の一つは「食料の安定供給」であり、かつてフランスのド・ゴール大統領が発した「食料の自給できない国は真の独立国ではない」との言葉は至言(しげん)であります。国民民主党も「自分の国は自分で守る」ことを柱に掲げています。食料を戦略的に、ある種の「武器」として考えている国もある中、まさしく、安全保障の要の一つは食料・農業であることを、今こそ再認識すべきです。
秋田をはじめ地方に活力をつくる第一は、農林水産業を元気にし、従事している方々の生活を豊かにするために所得向上の政策が必要です。
農林水産分野を生産、加工、流通、観光に渡った総合産業として育成する政策を策定致します。
①農林水産業の所得向上
世界的な食糧危機に備え食料の安全保障を守るために、農業者戸別所得補償制度の再構築、食料自給率50%、生産コストの支援等の政策実現。また林業は、環境保全の観点から木材産業の活性化、伐採、再造林の推進、林道網の整備。農業は秋田の基幹産業であり、農業・食糧を守るために水田活用交付金の恒久的な政策の推進。さらに、農地の集積・集約化による規模拡大。また家族農業・中小規模農業者を含め、全ての農業者がその持てる力を発揮できる生産現場の実情に合わせた農業政策を実現し農村を守ります。
農林水産業総合戦略を策定し、技術革新によるスマート農林水産業の推進、付加価値を付けた加工、輸出、経営支援、担い手育成、販路拡大により所得向上と経営安定を推進し持続可能な産業を実現します。
②食料安全保障と「農業者戸別所得補償制度」再構築
世界的な食料危機や気候変動を広義の安全保障として位置づけるとともに、国土、水源、自然環境の保全など、農業の公共的・環境的役割を重視した農政を展開します。地域政策を重視し、農村の維持・活性化に重点を置く農政に転換、推進します。主要農産物、食料ごとの自給率目標を定める「食料自給基本計画」を策定します。
米の需給調整は国の責任で行うとともに、現在食料自給率38%を50%に、現在有機農業面積0.5%を30%に引き上げる対策を行います。農業生産への支援から多面的役割への支援へ。農業者戸別所得補償制度を再構築し、安心して営農継続できる環境を整えます。米は1万5000円/10aを補助します。
環境配慮型農業を推進するため、有機農法やGAP認証を受けた農法を行う農家には「環境加算」を上乗せします。農地が持つ炭素貯留機能によるC02排出削減効果を炭素クレジットとして取引できるようにします。
田畑などへの鳥獣被害対策、都市農業支援に取り組みます。種子法を復活させます。
JA准組合員規制には反対であり、地域に根差した「農」を支える人づくりを行います。
③林業の活性化・花粉症対策
国民の約3割が罹患(りかん)しているスギ花粉症の対策強化を図るため、スギ人工林の伐採•利用・植え替えの促進、花粉の少ない苗木の生産拡大、花粉飛散抑制技術の開発をさらに進めます。また、国有林・民有林において、公益的機能を維持しつつ、木材の安定供給を図り、木質バイオマスや木製サッシの推進を含めた住宅などへの国産材の活用や、海外への製材輸出を促進し、ドイツのような林産業大国をめざします
④水産業の発展
世界に誇る日本の魚食文化を守り育てるために、水産資源の適切な管理・密猟や不正な漁業の取り締まり強化・漁場環境の保全等の取り組みと水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上と年齢のバランスのとれた漁業就業構造を確立することを目指し、2018年成立した改正漁業法について、現場の声をお聞きして真に水産業発展に資する観点での見直しを行います。
水産業は我が国領海、排他的経済水域を保全する上でも重要な機能を果たしている事を十分留意します。また、ALPS処理水海洋放出以降の一部の国、地域の輸入規制強化等に対して、科学的根拠に基づかない措置の即時撤廃を求めていきます。
⑤家畜伝染病の阻止
アフリカ豚熱(豚コレラ)など家畜伝染病の海外からの流入を水際で徹底阻止するため、検疫探知犬の配置の充実、許可のない肉製品等の持ち込み者に対する上陸拒否など、検疫体制を強化します。
⑥消費者目線の食品表示制度
安全・安心な農産物・食品の提供体制を確立するため、原料原産地表示の対象を、原則として全ての加工食品に拡大するとともに、食品卜レーサビリティの促進、食品添加物、遺伝子組み換え食品表示やアレルギー表示、ゲノム編集応用食品表示等、販売の多様化にあわせた表示内容、消費者目線の食品表示制度の実現を進めます。
⑦ふるさとへの帰農支援
夫婦の一方が生まれ育ち、親の住んでいた故郷に帰農する場合、年最大250万円を給付する制度(「夫婦ふるさと帰農支援給付金」)を創設します。「農業次世代人材投資事業」を充実・強化し、農業後継者の就農を強化しつつ、過疎地の活性化を図ります。
3 都会と地方の格差解消
秋田・地方の高速交通体系の早期整備を促進し、地域交流、産業・観光の活性化を実現します。さらに自然災害等への対応を強化するため河川・ダム等インフラ整備、老朽インフラの計画的更新を進め安全・安心な秋田を作ります。都会と地方の格差をなくすため、一極集中の課題を解決するために地方が特色ある取り組みが可能な、法律の改正を実現します。
一例として秋田県であれば、農漁山村が持続できる活性化重点政策の見直しや、豊富な地熱・水力・風力発電の再生可能エネルギーを有効に活用した、脱炭素社会のモデル地域を指定して、電源立地交付金や法人税減税等を行い地方の再生を実現し、均衡ある国土を実現します。
今日本は、国際競争力(2023年35位)が低下し、さらに実質賃金指数も下がり続けています。その大きな原因は、都会と地方の格差が広がっていることです。残念ながら、我が秋田県は、日本の中でも人口減・少子化・高齢化率が急速なスピードで進み、秋田の未来が描けない現状です。
現在、日本の最重要課題を解決するためには、地方の再生が必要不可欠といっても過言ではありません。だからこそ秋田の課題を解決することは、日本の未来を変える道標(みちしるべ)につながります。
大自然に恵まれた秋田県は、農林水産業を基盤としてさまざまな産業が成長し、粘り強く、バイタリティのある県民性で栄えてまいりました。しかしながら少子化が急速に進み、人口減少が全国一のペースで進行しております。このまま推移すれば経済は停滞し、地域の活力が失われてしまうのは明らかです。
今こそ『秋田・日本再起動』の政策を実現し秋田・日本の課題を解決し、日本の未来を創るために全力で取り組みます。
①秋田脱炭素社会(カーボン・ニュートラル)立県
自然環境への影響等の徹調査のもと、地熱・水力・風力・太陽光発電など「県産自然再生エネルギー」による、脱炭素社会のモデル地域を推進し、全国一の「脱炭素社会立県」をめざします。
「エネルギーあるところに新しい産業が生まれる。」
今、世界・日本の企業は脱炭素社会を目指しグリーンエネルギーの活用に取り組んでいます。その方針は、企業移住・誘致拡大に優位性が発揮できます。更に、秋田の企業も工業製品、農林水産物加工等の製造もグリーンエネルギーを活用し、付加価値を高めた秋田ブランド製品を全国・世界への発信で、秋田の成長戦略(雇用創出・所得向上・技術革新)に繋げます。そのためには、国において規制緩和、電源立地交付金、税制改正等に取り組みます。
②中小企業支援の強化
賃金を上げた場合、法人税の減税だけでなく固定資産税や消費税の減税で支援します。中小企業の継続と発展を支えるため、人材確保や事業承継を支援するとともに、下請け保護制度を強化します。中小・中堅企業に、新規正規雇用の増加に係る社会保険料事業主負担の半分相当を助成し、正規雇用を促進します。技術伝承の支援を行いながら、事業承継税制の恒久化及び免除措置の創設を行います。
また、民法の債権法を是正し、事業向け融資に関する第三者保証を禁止します。
大企業が資源価格高騰、人件費上昇の負担を中小企業に強いることがないようにします。
③自動車の負担軽減
自動車重量税は廃止することを前提に、まずは「当分の間税率※1」を廃止し、自動車重量税の国分の本則税率の地方税化を進めます。環境性能割は、旧自動車取得税の付け替えであることから廃止します。自動車税は、新車・既販車に関係なく、現在の営業・貨物・軽自動車の負担水準を基準とした税体系に改革します。ただし軽自動車が地方の重要な交通手段となっている現状に鑑み、十分な配慮の上で検討を行います。ガソリンや軽油の本則税率に約50年間も上乗せされている「当分の間税率」を廃止し、国分の本則税率の地方税化を進めます。
※1当分の間税率:ガソリンの価格のうち「25.1円分が当分の間税率」となっています。 これは、1974年から当分上乗せとしてスタートした税金で、最初は道路を作るためのお金に充てられていたもの。 それが当分の間といいながら約50年間も継続している税金。
④公共交通政策
公共交通は、地域住民の自立した日常生活の確保、地域間の交流の促進、環境負荷低減など、社会政策・環境政策などの側面も持ち合わせていることから、維持・確保を図ります。
⑤高速道路
地方の経済発展(企業誘致、輸送時間の短縮、輸送コストの軽減、観光、交通事故の減少等)のために高速道路整備を一般国道と同様に国土交通省地方整備局が整備し、完成後は無料開放される新直轄方式整備を促進する。
高速道路料金について、補修費や建設費も考慮に入れながら、償還期間や金利を実態に合わせて見直すこと等により、上限設定など新たな料金体系を検討します。
また、簡易な出口(スマートIC)を多く設置し、利便性を向上させます。
⑥防災インフラ整備
毎年のように大規模な自然災害が発生し、多くの命が奪われていることから、「社会資本再生法」(仮称)を制定し、公共インフラの円滑な維持管理、老朽インフラの計画的更新を進め、安全性・防災性と効率の向上を実現します。
⑦災害対応の強化
災害等への対応を強化するため、各種情報やデータを自治体と早期に共有し、災害対応に活用できるように取り組むとともに、被害が起きてからの対処のみならず、予防的な施策にも積極的に取り組みます。企業や自治体などの事業継続計画(BCP)、事業継続マネジメント(BCM)の策定支援、帰宅困難者対策などを進めます。
⑧災害復旧・復興支援税制の創設
被災地支援のボランティア活動を促進するため、自己負担分について税額控除を可能にします。また、近年、大きな災害が多発していることを踏まえ、生活再建をめざす被災者の税負担をできる限り減免するため、「災害損失控除」を創設します。災地ボランティアの支援制度を設けます。
⑨地域防災力の強化
地域防災や広報を担う消防団員、自主防災組織の処遇改善、防災資機材の整備を推進します。
⑩被災者生活空間の迅速な確保
大震災等発災時には、旅館・ホテルなどの民間施設を借り上げた際の避難期間等を弾力的に運用します。みなし仮設住宅の充分な確保(広域での空き家住宅・賃貸住宅の借り上げ等による住宅確保)をより迅速に実施します。
⑪住宅政策
所有者不明土地問題を含め空き家対策の検討を進めます。「中古住宅高付加価値化法」(仮称)を制定し、中古住宅の流通合理化・市場活性化を図ります。 団地の世代循環、高齢者向け住宅の供給拡大を進めます。住宅バリアフリー化、耐震化や省エネ化を進めます。
⑫新しい地方分権
地方自治体への権限・財源移譲を推進し、地域が自主性・独自性を発揮して切磋琢磨できる環境を整え、日本全体の底上げを図ります。
地方創生臨時交付金を増額し、一括交付金を復活させます。
国と自治体の「歳入比率5:5」を実現します。歳入比率「6:4」歳出比率「4:6」の矛盾を改善します。
東京一極集中・都市集中の是正にも取り組みます。
住民自治を基礎とした「持続可能で活力ある地域社会の実現」のために、労働者協同組合法が円滑に施行され、広範に活用されるべく、全ての地方自治体における「協同労働」推進のためのプラットフォームづくり等に取り組みます。
⑬乗合タクシーの普及支援
低料金でドアツードアの乗合タクシー(デマンドタクシー)、コミュニティバスなどを、国の基準の見直しや予算措置で、強力に支援します。
⑭eスポーツ振興による地域活性化
関連市場も含めて大きな経済波及効果があるeスポーツ(バーチャルスポーツ)の振興や世界大会誘致などによる地域活性化を推進します。
⑮NPOなどに対する支援拡充
「新しい公共」を推進します。就労・起業、空き家等の遊休資産活用等を支援し、地域社会の課題解決と雇用創出を図ります。「難病の子どもの資金支援法」(仮称)を制定し、「〇〇ちゃんを救え等の資金を提供した人に対して認定NPO並みの税の減免措置を検討します。
⑯郵政政策
2012年に成立した改正郵政民営化法に基づき、利用者の利便性を高めるとともに、郵政事業のユニバーサルサービス維持・向上に努めます。特に、郵政事業に係る税制上の措置については、他の事業形態とのバランスも勘案しつつ、ユニバーサルサービス確保の観点から、さらなる検討を進めます。係る税制上の措置については、他の事業形態とのバランスも勘案しつつ、ユニバーサルサービス確保の観点から、さらなる検討を進めます。
4 子育て・教育政策
出産・子育て・教育にお金のかからない国を実現します。幼稚園・保育園から高校までの教育完全無償化とともに、児童手当や奨学金など子育て・教育支援策から所得制限を撤廃します。「教育国債」で教育・科学技術予算を倍増し、「人づくリ」を国の最重点政策として進めます。
①「教育国債」の創設
教育や人づくりに対する支出は、将来の成長や税収増につながる投資的経費です。財政法を改正して、これらの支出を公債発行対象経費とする「教育国債」を創設します。毎年5兆円発行し、教育・科学技術予算を年間10兆円規模に倍増させます。
②教育無償化の実現
すべての子どもが人生の平等なスタートラインに立つため、O~2歳の幼児教育・保育無償化の所得制限を撤廃するとともに、義務教育を3歳からとし、高校までの教育を完全無償化します。学校給食や教材費、修学旅行費を無償化し、家庭の教育負担をゼロにします。塾代等の民間教育費を特定支出控除の対象とする「教育費控除」を創設します。
③給付型奨学金の拡充
専修学校や高等専門学校、大学や大学院等の高等教育の授業料を減免するとともに、返済不要の給付型奨学金を中所得世帯に拡大します。卒業生の奨学金債務も減免します。
④通学時の子どもの安全確保
「児童通学安全確保法」を制定し、国が責任を持って体制を整備し、通学路などでの子どもの安全を守ります。
⑤児童虐待防止対策の強化
しつけと称する虐待を防止するため、親が教育等に必要な範囲で子どもを懲戒できるという民法の規定を早急に見直します。政府のプランよりも児童福祉司を各児童相談所につき1人増員します。
⑥男性を含めた育児休業
男性を含め一定期間の育児休業の付与を事業主に義務化します。男女ともに育休中の賃金保障を実質100%とする雇用保険法改正を実現します。
父母が互いに育児を支え合うコペアレンティング(夫婦協同育児)と子育てシェア等の推進により、「3歳児神話」からの脱却をめざします。
⑦ギフテッドな子どもたちの能力を伸ばす教育
先天的にギフテッドと呼ばれる特性を有した子どもたちの能力を伸ばす教育制度を導入し、ギフテッドスクールも創設します。インターナショナルスクールを積極的に日本に誘致します。
⑧子育て・教育支援策の所得制限撤廃
児童手当や奨学金など子育て・教育政策の所得制限を撤廃します。日本の将来を支える子どもを等しく支援するため、親の年収にかかわらず、児童手当を18歳まで一律で月額1万5000円に拡充します。子ども3人で計1000万円を支援します。部活動の費用等も勘案し、児童手当のさらなる拡充やバウチャー制度(教育クーポン)を検討します。
⑨保育の受け皿の整備・待機児童解消
待機児童の解消のために、保育園と放課後児童クラブを積極的に増やします。全ての保育士等および学童保育の職員の賃金を引き上げます。病児・病後保育、障がい児や医療的ケア児の保育など多様な保育を充実させます。子どもたちを性被害から守るための法整備を進めます。
不妊治療への公的支援をさらに拡充します。
5 医療・介護・年金 政策
わが国はすべての人が職場や地域の公的医療保険に入って、いつでも、どこでも、誰でも医師に診てもらえます。この世界に誇れる制度を将来とも安心の基盤にするために、医療保険財政を確固たる制度を創ります。
介護保険制度が始まって年数を経ていますが、介護の現場や家族の願いとの間にさまざまな課題が生じています。途中の制度改正で介護対象から外れたり、受けられるサービスが薄くなったうえ自己負担増になったり、ヘルパー不足に陥ったりしていることです。介護は例えば三回分を一度にするといったような合理化のできない援助行為です。そして介護する人の熟練した熱いハートが必要な仕事です。必要な人件費まで削られていてはケアの質は確保出来ない。介護制度の改革を進め介護サービスのアップと介護従事者の待遇改善を確立します。
年金は老後の安心できる仕組みの確立と世代間公平とともに最低保障機能を強化した新しい基礎年金制度への移行を推進します。
① 日本初・最先端消化器秋田がんセンター設立
秋田県のがん死亡率は25年連続全国ワーストワンとなっています。この現状を変えるため『医療特区』を推進し、人的・予防・技術的資源を結集した日本初の世界最先端消化器がんセンターを設立します。
秋田のがん死亡率ワーストワンを返上し、県民の命はもちろんのこと全国、世界から秋田がんセンターに検査、治療に来る方の、医療ツーリズムを確立し、世界最先端の消化器がんセンターの実現を推進します。
②妊孕性(にんようせい)温存療法支援
国民民主党が主導して助成金を拡充した小児・若年性がん治療者の妊孕性温存療法(精子・卵子保存)を保険適用にします。
③予防医療・リハビリテーション・医療提供体制の充実
健康寿命を延ばすため、予防医療やリハビリテーションを充実させます。また、医療従事者の長時間労働の是正、女性医療従事者の就業継続・再就業支援などにより、医師・看護師を確保します。さらに、医療現場における職種間の連携を強化することにより、質の高い医療を受けられるようにします。
④介護サービス・認知症対策の充実
介護サービスの質を確保し、いのちや暮らしの基盤を立て直すため、全ての介護職員の賃金を引き上げます。
また、かかりつけ医と訪問看護など医療と介護の連携推進、在宅サービスの充実、配食や見守りなどの促進を行い、「地域包括ケアシステム」の取り組みを拡充、強化します。さらに、認知症予防事業や認知症患者の徘徊対策などを推進します。
⑤介護と仕事の両立支援
介護休業の期間を延長したり、介護休暇を時間単位で取得できるようにするなど、介護する家族の立場に立って、介護と仕事が両立できる環境を整えます。
⑥ギャンブル依存症対策
急増するオンラインカジノなどを含むギャンブル依存症対策に取り組みます。
⑦感染症対策強化
新型コロナウイルス対応にあたる医療機関の受け皿を拡大し、症状等に応じた役割分担と連携を強化して、医療崩壊の閾値(しきいち)そのものを上げます。平時の病床数に加え、感染症緊急時に対応できる病床にゆとりが持てるように診療報酬、介護報酬を改めます。保健師の人材確保など保健所の機能強化に努めます。
⑧年金制度改革と経済財政推計を行う独立機関設置
世代間公平とともに最低保障機能を強化した新しい基礎年金制度への移行を検討し、現役世代、将来世代を支えます。持続可能な年金制度を設計するためにも、経済財政の将来推計を客観的に行い、統計をチェックする「経済財政等将来推計委員会」を国会に設置します。
モデル世帯前提の議論を止め、第3号被保険者や配偶者控除の見直しを含め、個人単位を前提とした議論を行います。推計を踏まえ、法人課税、金融課税、富裕層課税も含め、財政の持続可能性を高めます。
所得再分配機能回復の観点から、金融所得課税の強化を行います。高所得者層は金融資産から所得を得ている割合が多く、所得税負担率は1億円超から急激に下がっています。一般の家庭が少しでも余裕を実感できるようにする一方、富裕層には応分の負担を求め、そのお金を社会に還元します。
NISA等の非課税制度の拡充により、家計の金融資産形成を応援します。
6 総合安全保障政策
自分の国は自分で守ります。
外交は国連主義と米国との同盟関係維持、それに加えて重要なのはアジアの国々との友好協調を強めること。この三つにのっとった外交、国際貢献の立場を取ります。
新たな感染症、気候変動による自然災害や食料危機、厳しさを増す国際環境など、様々な危機を「想定外」とすることなく、経済、エネルギー、食料、防衛等を含めた広義の安全保障政策に万全を期し、国民と国土を守り抜きます。
国民生活や産業に必要な物資が過度な外国依存とならないよう、総合的経済安全保障法(経済安保基本法)を制定します。
①危機から国民と国土を守る
ロシアのウクライナ侵略による安全保障環境の変化を受け、国民と国土を守る態勢を強化します。
自分の国は「自分で守る」との理念に基づき、自立的な安全保障体制をめざします。
同盟国、友好国との協力を不断に検証し、「戦争を始めさせない抑止カ」の強化と、攻撃を受けた場合の「自衛のための打撃力(反撃力)」を整備します。
激変する安全保障環境に対応するため、日米安保体制をさらに安定的に強固なものにしていくことは、日本の安全のみならず、アジア太平洋地域の平和と安定にとって不可欠です。日本の外交・安全保障の基軸である日米同盟を堅持・強化します。「核の傘」による抑止の信頼性を高めるため、「日米拡大抑止協議」を閣僚級会合に引き上げます。
日米両国の信頼関係に基づき、平和安全法制の見直しや地位協定の見直しに加えて、非対称的な双務性を定めた日米安全保障条約の将来像についても日米間で議論を行います。米軍、軍人、軍属、その家族に対する国内法の原則順守、日本側の米軍基地の管理権などについて米国と協議します。利便性向上にもつながる横田、岩国空域及び管制権の返還を求めます。
軟弱地盤の問題もあり、期間や費用も大きく膨れ上がる辺野古の埋め立ては一旦停止し、沖縄の民意を尊重し、日米間で合意できる「プランB」の話し合いを行います。
海上保安庁の体制を強化し、自衛隊やその他の政府機関との連携を深めます。海上保安庁の任務に領海警備を加える海上保安庁法改正、情報収集・警戒監視活動を明記する自衛隊法改正を実現し、いわゆるグレーゾーン事態への対処を強化します。防衛技術の進歩、サイバー、宇宙、電磁波など新たな領域などに対処できるよう、専守防衛に徹しつつ、領士と主権を維持するために自衛隊の予算を不断に見直し、必要な防衛費を増やします。情報収集衛星を質・量ともにレベルアップを図るとともに、イギリスのJICなどを参考にしつつ、日本のインテリジェンス能力を高めます。
尖閣諸島をはじめ、我が国の領土・領海・領空を守り抜きます。我が国の固有の領土である北方四島と竹島については、粘り強く交渉を続け、解決をめざします。
関係各国と緊密に連携し、北朝鮮の完全な非核化、ミサイル放棄を実現するとともに、拉致問題の解決を図ります。
安全保障上の観点から、公共インフラやカーナビ情報等の実情について調査し、所要の対策を講じます。
②「総合的な経済安全保障」の強化
食料、エネルギー、医薬品、医療機器、人材、文化等を含む「総合的な経済安全保障」政策を推進します。政府一体となった戦略を策定し、日本の課題解決に取り組みます。
③経済安全保障
基本的な生活物資や諸物資の海外依存をできる限り低減し、自立したサプライチェーン(供給網)によって富の海外流出を防ぎながら国と地方を守る、「給料が上がる経済システム」を構築します。
人工知能や次世代通信規格5G、6G、ドローン、半導体や量子技術などは民間企業だけでなく軍事転用可能な技術であることから、これらの技術の流出や、外国資本による技術保有企業中小・中堅企業を含む)の買収を的確に把握、規制するため、必要な法整備を進めます。
国内ワクチン・治療薬の開発の遅れや医薬品の供給不安が顕在化するなど、我が国の医薬品や医療機器産業の競争力や体力の低下が明らかとなったことから、毎年薬価改定の是非を含め、抜本的に見直しを図ることで、イノベーション創出環境の整備と揺るぎないサプライチェーンの構築に取り組みます。
日本の「モノ」「サービス」を海外に広める取り組みを徹底して行います。特に鉄道や発電所、上下水道など、日本が誇るインフラ設備の輸出も官民共同で行い、日本の産業の振興と世界への貢献を両立させる取り組みを行います。また、対日投資促進やインバウンド需要拡大をめざし、外国法人との対話力強化や多言語での情報発信強化等に取り組みます。
自由貿易協定については、自由貿易の重要性を踏まえつつ、自動車や農業分野など、日本の国益を守ることを最優先に位置づけ、主体的・戦略的な経済外交を推進します。
国や自治体などの公的機関や企業、大学などの民間機関における「セキュリティ・クリアランス(身元確認)制度」を確立します。
④エネルギー安全保障
資源の少ない日本にとって、エネルギー自給率の向上などエネルギーを安全・安定・安価に確保することは極めて重要な課題です。エネルギー安定供給の確保をはじめとするエネルギー安全保障を重視し、盤石なエネルギー供給体制を実現しつつ、カーボン・ニュートラル社会をめざします。
なお、カーボン・ニュートラル社会に向けては、電力部門に限ることなく、あらゆる部門(エネルギー製造・運輸・民生)における省エネ化や電化の促進をはじめとする技術革新と社会実装によるイノベーションを推進します。
⑤分散型エネルギー社会
共生・自律分散型のエネルギーネットワークを構築し、再生可能エネルギーを中心とした分散型エネルギー社会の構築をめざします。とくに洋上風力、地熱の活用に注力するとともに、ジオエンジニアリングに取り組みます。
地域資源の有効活用や地域のエネルギー関連産業の発展等を通じて地方の可能性を引き出します。
2030年代には電源構成比で再エネ比率が40%以上となるよう着実な取り組みを進めます。将来的には蓄電システムを併設した太陽光発電システムによる電カコストについて現状(¥60~80/kWh)を大幅に低減し得る自家消費型電源システムの実現をめざします。
⑥原子力政策
原子力エネルギーに代わるエネルギー源の確保や省エネ化、再エネの安定的利用環境の構築を前提として、中長期的には原子力エネルギーに対する依存度を低減し、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会をめざしていくことが求められています。原子力に代わるエネルギー源が確立されるまでは、既存の原子力は我が国の電力供給基盤における重要な選択肢と位置づけつつ、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、当面の間は次の考え方に基づき原子力エネルギーを利用します。
①40年運転制限制を厳格に適用する。
②法令に基づく安全基準を満たした上で避難計画の作成と地元同意を得た原子力発電所は稼働させる。
③新増設は行わない。
④カーボン・ニュートラル社会の実現に向けてあらゆる手段を確保・活用する。
エネルギー価格高騰の抑制と電力需給ひっ迫を回避し、安全性が確認された原子力発電所の再稼働と安定運転を図るとともに、次世代軽水炉や小型モジュール炉(SMR)、高速炉などへのリプレース(建て替え)等を通じ、経済安全保障の確保とカーボン・ニュートラルの両立を支える技術、国内サプライチェーンと人材の維持・向上を図ります。また、安全性が確認されたプラントの早期再稼働に向け、規制機関の審査体制の強化や審査プロセスの合理化・効率化等を図りつつ、長期化している適合性審査を加速します。
原子力発電所など原子力施設への武力攻撃を想定し、自衛隊によるミサイル迎撃態勢や部隊の配備などを可能とする法整備を行います。
⑦東京電力福島第一原子力発電所への対応
福島の復興・再生は今後とも最重要課題であり、「復興と廃炉の両立」に向け、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉等を進めるため、全ての政策手段を投入します。ALPS処理水の取り扱いについて具体的な対策を進めます。風評対策の徹底、速やかな賠償、ならびに被災地の復興と産業発展に向けて、東日本大震災によって残された多くの課題に全力で取り組みます。
⑧国際リニアコライダー※1誘致
被災地東北発、ものづくり大国・日本の再生に向けた次世代の科学技術・産業の土台づくりとするためにILCを誘致します。
※1.国際リニアコライダー(ILC):全長30kmを超える直線の地下トンネルの中に設置される線形加速器で、トンネルの中央で、超高エネルギーの電子・陽電子を衝突させる実験装置。
⑨暗号資産※1を活用したトークン・エコノミー※2の支援
Web3など非代替性トークン(NFT)を生かした経済を推進するため、暗号資産(仮想通貨)を雑所得として課税するのではなく、20%の申告分離課税とします。発行法人が保有するトークンは、期末時価評価の対象から除外し、実際に収益が発生した時点で課税します。また、法定通貨である円を電子通貨化するとともに(CBDC)、地方自治体による、地域経済活性化に資する暗号資産「デジタル地域通貨」(仮称)の発行を推進します。
※1.暗号資産:実際に存在する紙幣や貨幣とは異なり、バーチャルな世界や電子取引などで通用する通貨で、バーチャルマネーとも呼ばれる。 1990年代後半からソーシャルゲームや電子マネーとともに発達し、2023年2月現在、2万種類以上の暗号資産が世界中で流通していると言われている。
※2.トークンエコノミー:日本語訳は「代替通貨経済圏」となり、トークンエコノミーとは、「トークン」というデジタル通貨を使った新しい経済圏の事。トークンエコノミーが注目されている背景には、従来の経済圏では「無価値」とされていたモノやサービスに新たな価値を生み出せる事や、銀行に頼らない資金調達が可能になる事が挙げられる。新たな価値を生む手段としての期待から、既に先進企業が事業化に着手している。
⑩SDGsの推進
持続可能な世界を残すために、国際社会が2030年を目標として取り組む国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進します。
「人間の安全保障」の理念に基づき、気候変動対策、クリーンエネルギーの推進、人権の保護、ジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメント、包摂的で公正な社会の構築などに取り組みます。
⑪動物愛護
人と動物が幸せに暮らす社会を実現するため、犬猫の殺処分ゼロをめざします。
アニマルウェルフェア の理念(5つの自由)に基づいた飼養管理の推進に取り組みます。動物を飼養・管理する者の責務の強化、動物取扱業者の責任の強化などに取り組みます。
⑫地球温暖化対策
2050年カーボン・ニュートラル社会の実現や「パリ協定」の推進に向け、徹底した省エネルギーと、電源の低脱炭素化や電化の推進運輸部門における電動車の普及促進(インフラ整備を含む)、蓄電池やCO2フリーの水素合成燃料(バイオジェット・e-fuel等)の開発・生産支援を行うなど、革新的なイノベーションとその社会実装を通じた大幅なCO2削減をめざします。
⑬マイクロプラスチック対策
マイクロプラスチック問題の深刻化を踏まえ、国際的な取り組みを強化するとともに、生態系への影響を防止するための規制を導入します。
⑭人権外交の推進
「対話と協力と行動」という基本的な考え方に基づき、普遍的価値を共有している諸外国と連携した人権外交に取り組みます。
人権侵害行為を理由に、加害者たる個人や団体に対し、資産凍結やビザ規制などの制裁を行う「人権侵害制裁法(日本版マグニツキー法)」と、サプライチェーンの透明化などにより、日本企業をレピュテーションリスク(評判の毀損による企業価値の低下)から守るための「人権デューデリジェンス法」を制定します。
新型コロナの影響が大きい脆弱国の外貨確保の支援のため、2021年8月IMFが発行した約6500億ドル相当のSDRのうち日本に配分された約420億ドル相当のSDRをG20のトップレベルの割合で融通します。その際、債務の罠の問題を解消していくため、IMF及び加盟国と連携し必要な外交努力を行います。
ODAのインフラ偏重を是正し、医療、教育、貧困対策等の民生部門を重視します。
⑮感染症対策強化
新型コロナウイルス対応にあたる医療機関の受け皿を拡大し、症状等に応じた役割分担と連携を強化して、医療崩壊の閾値(しきいち)そのものを上げます。平時の病床数に加え、感染症緊急時に対応できる病床にゆとりが持てるように診療報酬、介護報酬を改めます。保健師の人材確保など保健所の機能強化に努めます。
7 雇用のセーフティネット強化と職業訓練充実
研究、開発やものづくりの基盤を支える高度人材の育成を推進します。社会人の学び直し(リカレント教育、リスキリング教育)を支援します。
雇用のセーフティネット機能を高めつつ、成長分野への人材移動と集積を進めるため、職業訓練と生活支援給付を組み合わせた求職者支援制度を拡充した「求職者ベーシック・インカム制度(仮称)」を構築します。
フリーランス、ギグワーカ—などに対応した教育・雇用環境を整備します。
① EdTech※1の推進
人工知能、IoT、VR、学習・教育効果の向上、自動化・効率化、価格破壊、市場創出等、従来の教育の仕組みや産業構造に大きな変革を起こします。
※1.EdTech(エドテック):「Education(教育)」と「Technology(テクノロジー)」を合わせた造語で、テクノロジーを用いて教育を支援する仕組みやサービスを指す。
②長時間労働の是正
勤務から翌日の勤務まで一定の間隔を空ける「インターバル規制」の義務づけ、長時間労働の温床となっている「裁量労働制」の厳格化、労働時間管理の徹底、違法残業など法令違反に対する罰則の強化など、実効性のある規制を定めた「安心労働社会実現法」を制定します。
③病気有給休暇の創設
労働者が新型コロナウイルスに感染した、または感染の疑いのある症状が出た場合、濃厚接触者となった場合、家族が同様の事態になって看護のため仕事を休む場合などにかかる賃金補償付の病気有給休暇を創設します。
④職業訓練の権利保障
労働市場へ参入後に職業訓練を受ける権利と機会を保障する制度を検討します。
8 ジェンダー後進国脱却、多様性社会実現
教育、就職、賃金、経営、政治参加など、あらゆるライフステージと政策における男女格差をなくします。男女間賃金格差の是正、民間・公務の双方における女性労働者の非正規率の改善、採用活動におけるハラスメント防止などに取り組みます。(女性候補者の擁立目標や候補者支援策の詳細は8の③)
障がい、ヤングケアラー、不登校、引きこもり、外国ルーツ、性的マイノリティなどの子どもが互いを理解し、共に学べる「インクルーシブ教育」の環境をつくります。
経済的な背景のみならず情報や教育の乏しさによって生理用品が買えない「生理の貧困」を踏まえ、生理用品の無償配布を行います。
若年期からの月経随伴症状や閉経前後の更年期における労働環境の整備に取り組みます。
女性差別撤廃条約選択議定書を批准し、婚外子差別となっている戸籍法の改正をめざします。
性犯罪に関する刑法の改正を進めます。
①日本一女性が活躍する秋田を実現
女性活躍の第一歩は男性の意識改革です。男性だけで物事を決めていては、時代の変化に遅れて新たな価値観やイノベーションを生むことができません。働き方・子育て、全てのシーンで日本一女性が活躍できる秋田県の実現で、誰もが輝く社会をめざします。
市町村・民間企業の女性活躍を強力に支援し、私たちが目指す秋田は、男女がともに秋田の未来を決める社会を推進します。
②ハラスメント対策
パワハラ・セクハラに対して、労働者を保護するための新たな義務を事業者に課す法律を制定します。また、就活生やフリーランスとして働く人に対するセクハラも含め、セクハラ行為を法律で禁止します。
悪質クレームの被害から労働者を守るための「カスタマーハラスメント対策推進法」を制定します。
③若者と女性の政治参加推進
各級選挙に立候補できる年齢について、衆議院議員、市区町村長、地方議員は18歳、参議院議員、知事は20歳とするとともに、英国の若者議会の制度も参考にしつつ、若者が政治参画しやすい仕組みをつくります。
インターネットを活用して、政策づくり、選挙運動の各場面で一人でも多くの国民が政治に参加している実感の持てる環境をつくります。また、ネット投票を可能にします。
男女の候補者数をできる限り均等にするという目標の下、党として、女性候補者比率35%目標を実現します。立候補から議会活動までを先輩議員などが伴走するメンター制度を導入するとともに、介護や育児の負担を軽減するためベビーシッター代支援などのメニューを自由に選べる「カフェテリア方式」を導入します。
④ヤングケアラー対策
本来大人が担う家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども(ヤングケアラー)の実態調査を定期的に行い、効果的な支援の方法を調査研究するとともに、ヤングケアラーの子どもやその家族に対する福祉的・教育的な支援を行います。
⑤障がい者・難病患者政策
障がい者・難病患者が住み慣れた地域で安心して自立した生活が送れるよう、「障害者差別解消法」の実効性のある運用をめざします。
障がいの有無などにかかわらず、同じ場でともに学び、働く「インクルーシブ教育・雇用」を推進します。さらに、既存の発想にとらわれない新たな社会参加・就労機会の場を確保します。視聴覚障がい者などの自己選択と自己決定が実現できる社会環境を整備するため、手話言語法、情報コミュニケーション法を制定します。
⑥差別の解消
ヘイトスピーチ対策法を発展させ、人種、民族、出身などを理由とした差別を禁止する法律を制定します。
「LGBT差別解消法」を制定します。
⑦外国人との共生
外国人の受け入れは、その能力が存分に発揮され、日本国民との協働・共生が地域社会や生活の現場においても推進されることが大前提です。困難な状況となっている地方における人材の確保、多様な言語に対応したワンストップセンターの整備など、地方自治体などに対する支援を強化します。
⑧人生100年時代への対応
働き続けたいシニア世代が働き続けられるよう、高齢者の積極採用などを企業に促します。
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の取り組みを拡充、強化します。
公立・公的病院支援等を行いつつ、地域にふさわしいバランスのとれた医療・介護サービス提供体制を構築する「地域医療介護構想」を実現します。
⑨総合合算制度※1の創設
医療・介護・障害福祉等にかかる自己負担の合計額に上限を設ける総合合算制度を創設します。
※1.総合合算制度:「低所得者の家計に過重な負担をかけない」観点から、制度単位ではなく家計全体をトータルに捉えて、医療・介護・保育・障害に関する自己負担の合計額に上限を設定。基礎的な消費支出等を踏まえ、負担上限を年収の一定割合とするなど、低所得者に対してきめ細かく設定する。
⑩孤独・孤立対策
国による初の実態調査によって全世代の約4割が孤独であると回答し、中でも最も孤独感が高いのは20〜29歳の若者で、失業者・男性単身者・公営住宅居住者も孤独感が高いことが判明しました。「生きる権利」を行使するために、無料のセ—フティネットの拡充を進めます。
これまでの孤独・孤立対策や自殺対策(特に若年層や子どもの自殺)を検証します。メディアによる自殺報道にWHOガイドラインに即したルールを策定します。
相談や支援につながる「タッチポイント」や地域における「つながる場」を増やすとともに、ボットも活用した24時間365日チャット相談体制を構築し、相談への応答率向上のための人材を育成します。
孤独・孤立に対するリテラシー教育とスティグマ対策を推進します。
ソーシャルワーカーの養成を推進することや民生委員・児童委員の経済的負担を軽減することなどにより、地域で相談や支援活動を行う人材として子ども若者民生委員、デジタル民生委員等を設置します。
9 「正直な政治」をつらぬく
正直な政府をつくります。公文書の改ざん等に対する罰則を導入します。また選挙制度改革・政治資金透明化・国会改革・国際課税・省庁再編の改革を推進します。
①公文書改ざん厳罰化
公文書の改ざんや破棄、隠ぺいを行った公務員、不正を指示した政治家や関係者に対する罰則を導入します。
行政文書の管理状況を常時監視する独立公文書監視官の設置やブロックチェーン技術による改ざん防止システムなど、公文書管理の抜本改革を行うとともに、情報公開を徹底し、国民の知る権利を保障します。
「行政監視院」を国会に設置し、行政監視機能を強化します。
② 選挙制度改革
衆議院については、民意をより正確に議席数に反映させる観点から、比例復活のあり方を含め、これまでの政治改革を検証し、選挙制度を見直します。
参議院については、人口減少時代において地方の声をより反映させるために、合区を解消します。
あわせて、衆参両院の役割を見直す等、参議院改革協議会の議論を参考に、選挙制度を見直します。衆参の議員定数削減を行います。
③ 政治資金の透明化
政治とカネの問題に係る国民の不信感を払拭するため、政治資金の透明化に努めます。文書通信交通滞在費(現在は調査研究広報滞在費)は、日割り支給だけでなく、使途報告書の公開や残額の返還を義務化します。国会議員JRパスの悪用を防止するため、写真付にするとともにICカード化します。
④ 熟議のための国会改革
与野党が熟議し、多様な意見を反映した法案修正ができるよう、国会の審議のあり方を見直します。
⑤ 国際課税
「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業などがビジネスを展開し、利益を上げている国でほとんど納税していない実態を踏まえ、国際社会と協調して課税を強化していきます。
⑥省庁再編
税と社会保険料の公正な徴収を進めるため、バーチャルな形式も含め「歳入庁」を創設します。統計不正問題の再発防止のため、「統計庁」を創設し、統計作成事務を一元化します。